症状がなくても病気かも?レントゲンが捉えるお口の病気について解説
2024年02月15日
みなさんはどんなタイミングで歯科医院に行きますか?
「痛みが出てから」「炎症が起きて腫れてから」など、何らかの症状が出てようやく歯科医院に行くという人も多いのではないでしょうか。
しかし、歯科疾患は自覚症状がなくとも発症して静かに進行しているケースがたくさんあります。そんな症状がない状態でも定期健診をしっかり受けていればレントゲン検査を受けて初期状態で見つかり早期治療が可能になります。
この記事では、目視では分からない場合でもレントゲンで見つけられる病気や症状についてお話ししていきます。
■歯科医院で使用する「レントゲン」
歯科診療における可視化といえばレントゲン検査は欠かせません。歯科疾患は自覚症状がないものも多く、レントゲン検査を受けたら偶然発見されたということも少なくありません。レントゲン検査では、X線を体に透過させて撮影が行われます。レントゲン写真はモノクロになっていますが、これはX線が体内に吸収されるものと体を透過して外に出ていくものとに分かれているためです。例えば、顎骨や歯は白く映し出され、口腔内の粘膜や血管、歯の神経などは黒く映し出されます。虫歯治療をして修復治療をした所は、詰め物や被せ物などは白く移りますが、虫歯になっている場合、その箇所は黒く映ります。
虫歯や歯周病の進行具合や状態がレントゲン撮影でわかるというのは多くの方がご存じかと思いますが、レントゲン撮影でわかるのは虫歯や歯周病だけではありません。虫歯や歯周病以外で、レントゲン検査で見つけられる病気やトラブルの代表的な例を見てみましょう。
■1.歯根吸収
主に歯列矯正治療や歯が外傷を受けることが原因で、歯の根っこが少しずつ溶けてしまい短くなる現象を「歯根吸収」といいます。一度溶けた歯根は元に戻ることはないため、歯根吸収が起きて短くなりすぎると歯を支えられなくなり、グラグラしたり、最悪の場合抜け落ちしてしまうこともあります。歯根吸収は初期段階においては自覚症状がないため、レントゲン撮影をすることでしか発見できないケースが多いのが特徴です。自分の歯を守るためにもレントゲン撮影で早めに発見し、対処することが大切です。
■2. 顎骨嚢胞(がっこつのうほう)
体の中で作られる袋状の病変を「嚢胞(のうほう)」と呼びますが「 顎骨嚢胞(がっこつのうほう)」は、顎の骨にできたものを指します。初期状態では腫れる、痛むなどの自覚症状もなく放置されて気づかないうちに進行してしまうことも珍しくありません。適切な処置を行わず、放置してしまうと、嚢胞はゆっくりと大きくなります。嚢胞が大きくなると、顔の形が変わったり歯の位置がズレたりと機能性にも審美性にも大きな影響を与えます。レントゲン撮影を行うことで、このように症状がほとんどないトラブルにも早い段階で気づくことができます。
■3. 歯の位置や生え方などの異常
歯の生え方に問題はないか、位置や本数は正常かなど、歯の位置や生え方を全体的に把握するのにも
レントゲン撮影は役立ちます。歯の本数が足りていない、あるいは多いという異常もレントゲン撮影をして発見されることもあります。歯の生え方の異常で特に注意したいのが一番奥に生える「親知らず」です。レントゲン撮影では、親知らずがどのような状態かも把握することができるので、
歯茎の腫れや痛みの原因となる可能性の高い親知らずに対し、早い段階でアプローチできます。
こういったトラブルを放置してしまうと、歯並びや噛み合わせなどにも影響を与えるため、早めの治療が大切です。
■予防のために定期健診を受けよう
定期健診を受けることで、歯科疾患の早期発見早期治療につながります。早い段階での治療が可能になれば治療も簡単に済むので心身の負担も減らせますし、一生涯で見た医療費も軽減できます。また、歯科医院で定期的にクリーニングなどの処置を受けることで、セルフケアでは落としきれない歯の溝や隙間の汚れ、石灰化して落とせなくなった歯石の除去も可能になります。定期健診は現在の健康状態を把握するだけでなく、今後も健康的な歯を守り続けるための予防としても非常に重要な要素です。歯科衛生士からブラッシング指導を受けることで、セルフケアもより正しく丁寧に行うことができるようになります。
■まとめ
レントゲン撮影が口腔内の状態や歯科疾患の症状を正確に調べる手段として非常に効果的なのがご理解いただけたと思います。定期健診を受けていれば、自覚症状がない病気にも気づけるので早期治療ができるようになり、将来的なリスクも格段に減らせます。
歯科疾患は放置してしまうとどんどん進行してしまうため、症状が悪化する前に適切な治療を受けることが重要です。患者様の健康を守り安心して治療を受けていただけるようにスタッフ一同協力して取り組んでおります。悩みや不安なこと、相談などがあれば、いつでもお気軽にお声がけください。みなさまのご来院を心よりお待ちしております。